写真はハードWAXです
ハンズとかの彫金コーナーで見た人も居ると思いますが、実際触ってみるとカチカチで爪も立たなかったりします
指輪とかシルバーアクセサリーの原型を作る為に使います
ハードWAXは普通のロウソクとは違って、熱で溶けるプラスチックと言った方が近いかもしれません
原型を作る場合、これ一種類で作るとかなり手間が掛かったりするので、自分で幾つかの材料を混ぜ、使いやすくカスタマイズしてやります
緑(硬) 紫(中間) 青(軟)
と色によって硬さが違います
仕上げや研磨の仕方によって使い分けますが、おいらは緑が好きです
そしてこちらがパラフィンです
よく見るローソクの蝋の製品化前のブロック状の物です
おいらは浅草の塗料屋さん、フジクラで買ってました
(ポリパテなんかも近所の塗料屋さんだと格安で手に入ったりするので模型好きの人は是非塗料屋さんへゴーw)
そういえば足りなくなったら近所でローソク買って足したりしてたなぁ・・・少量ならローソクほぐして入れても良いと思います
ガレージキットの原型師は、ファンド(紙粘土)やポリパテ(車とかの補修材)、最近ではスカルピーなんかを使って原型を作ることが多いです
趣味が高じてって人達なので(おいらも)、使える物は何でも使ってしまいますが、他人の原型や売られているおもちゃの部品を使って商品原型を作ってしまうアウトローな人達も居ます(サンプリング感覚なのかもしれんけど・・・・・・・・)
この業界には原型屋さんと呼ばれる人達も居ます
彼らは本当に職人としてのプロで、おもちゃの原型などをWAXを使って製作したりします
これは後で金型を作る際にそのまま使えるメリットがあったりするからです
試作屋さんという人達はここで扱う素材よりも、サイコウッド(ケミカルウッドとも言います)等を削って試作品を作ります
昔は木を削っていたらしいのですが(木型)、木には質のバラつきがあり、一つのブロックの中でも硬さにむらがあるので今は殆どサイコウッドに置き換わっています
原型師だけ、師って付くのが抵抗あるんだよなぁ・・・・・・・・(さすがに慣れたけど)
とりあえず、
●ハードWAXの問題点
融点が高い、硬い、色が濃い、透けている
●パラフィン(ローソク)の問題点
融点が低い、軟い、色が薄い、透けている
これらの問題点を解決するために、こんな事をやります
ハードWAX + ローソク + クレヨン = 使いやすいWAX
この配合比は業界では秘密にされていることが多く(おいらがやってた頃は)自分なりの配合を見つけるまでには結構試行錯誤しましたが
結論 : 用途に合わせて比率を変える、余計な薬品は混ぜなくて可(蜜蝋やら化学薬品やら混ぜる人も居るみたい)
まあ原型が削れればOKです
原型屋さんが使ってるWAXは粘り気があったりします(色は大体黄緑色)
リューターでサクサク削るには、蜜蝋なんて入ってない方が良いんですよ~
ちなみに混ぜる時は鍋でドロドロに溶かして攪拌してやります
融点が違うので、ハードWAX→パラフィン→クレヨン、と足していくのが普通です
ここで気をつけて欲しいのは
ローソクは気化すると引火するって事ですwww
なのでガスコンロはオススメ出来ませんw
おいらも数回引火させますた・・・・・・・・orz
電熱式のやつを使って、100均の鍋を焦げ付くまで使うのが良いのでわなかろうか?
この後、暖めたシリコン型にWAXを流し込んでやれば複製品が出来上がります
型の複雑さ等も考えて流動性の高いパラフィンの配合比率を上げたりします
こちらの画像はどの原型が見やすいかの比較用に色々並べてみた物です(サフ吹き原型載せるの忘れた・・・・・・・)
上の段の1と2はハードWAXにパラフィンを混ぜただけなので、透けちゃって細かいモールドが見えませんね
3番はこれらにクレヨンの茶色をしっかり色が付くまで足した物です
これ、Z3に似てるでしょw
ベンジンで拭いて研磨するんだけど、その時に出る白いカス(やりすぎた画像は右下参照)まで再現されてるんだな
実際に配合したWAXではMOVEやINFLATなんて出来ないので、完璧な素材をイメージしたんだろうなぁ
他にインクレ原型と、キャストを茶色に内部着色した原型(茶色いオイルステイン混ぜると綺麗に染まります)、茶色いラッカーパテで研磨した原型、等も並べてみました
どうです? 茶色って見やすいでしょ?
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